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シンプルなカラダづくりを考える

「自分で気づく、自分で治る」を合言葉に健康生活への第一歩をお手伝いします

土のふえ

memo

ひとりの へいたいが せんじょうの ねんどで

ふえを つくりました。

やさしい音が ひびき、

みかたの へいたいも

てきの へいたいも

とおい ふるさとを おもいだして

なつかしがりました。

「南の国には、わにのように、おそろしい人間がすんでいる。」

「北の国には、くまのようにおそろしい人間が住んでいる。」

北の国の人も、南の国の人も、

となりの国を ほろぼさなければならないと、

考えていました。

あるとき、ふたつの国は

とうとう、いくさを はじめてしまいました。

たくさんの へいたいが きずつき、しんでいきました。

冬がきて、北と南の へいたいは、

ながい ざんごうを ほって むかいあいました。

ふるえながら、ながい冬を すごしていました。

ある日、たいくつした 北の国の へいたいが

ざんごうの ねんどを かためて 土のふえをつくりました。

その わかい へいたいは ひつじかい でした。

土のふえは ひつじかいの つのぶえのような 音がしました。

へいたいたちは、春になると、

まきばから きこえてくる つのぶえをおもいだして、

ふるさとを なつかしがりました。

「あっ、だれかが ふえを ふいている」

土ぶえの音は、南の国のへいたいが かくれている ざんごうにも、

かすかにきこえました。

南の国の 牛かいの へいたいも 

ざんごうの土で ふえをつくりました。

とても やさしい 音がしました。

「はやく、春になると いいな。」

北のへいたいも、南のへいたいも 

みんなが そう おもいました。

でも、だれも くちには だしませんでした。

春になって、雪がとけると 

また はげしい いくさが はじまるからです。

春になって、

北の国の たいしょうも、

南の国の たいしょうも、

こっそり へいたいを だして、

てきの ようすを さぐらせようと おもいました。

北の国から ひつじかいが

南の国から 牛かいが

それぞれ 選ばれて ざんごうを でて

てきの ようすを さぐりあるきました。

ふたりは、ばったり でくわしてしまいました。

ふたりは、あわてて かくれました。

たがいに いつまでたっても うごく ようすがありません。

北の国の へいたいは ふと ポケットにある

土ぶえを おもいだし、ちょっとふいてみました。

「あれっ、ふえが なったぞ。」

南の国の へいたいも そっと ふいてみました。

ふたりは いくども、ふえで よびあってみました。

そのうちに、ふたりは 

もう かくれることも わすれてしまいました。

ふたりの ふえは 

つくしく ひびきあいました。

ながい いくさが おわったのは、

それから まもなくのことでした。