これまで何度目を通したか覚えていないほど読んでいる本。お気に入りの一つに松浦弥太郎さん著の『伝わる力』があります。今朝はトイプー息子を連れてドライブにでかけたので、その途中で少し読みました。
以下、人の「気」を見るより一部引用
「コーヒーを美味しく淹れるコツはあるんですか?」と、ある日、僕はカフェの女性に聞いてみた。すると彼女は、しばらく黙って考えた末に「いつも大切にしているのは、お客さんの『気』を見て、今日はどんな味を求めているのかを、自分なりに見極めることです」と答えた。
びっくりした。「気」を見るというと、少し怪しげな感覚であるけれど、今日は元気なのか、疲れているのか、今どんな気持ちなのかと、それこそ、その人の「気」をさりげなく感じ取って、それに合わせた微妙な味の調整をし、愛情込めてコーヒーを淹れているという。
「料理で覚えるべきことは、技や知識ではなく、愛情の表現です」と教えてくれたのは、料理家のウー・ウェンさんだ。カフェの彼女の話を聞いて、まさにその通りだと思った。おいしさとは、やっぱり口だけで感じるものではなく、その時その時の状態による、「気」という心で感じるものが大きいのだろう。
「料理の目的は、単に食べる人のお腹をいっぱいにすることではないんです。一日の疲れを癒やして、明日の健康を助けることです」とも、ウー・ウェンさんは言った。きっとそれと同じ気持ちで、彼女はコーヒーをいれているのだ。「気」を見るという心持ちは、決して怪しいことではなく、料理の他、仕事にも暮らしにも生かせる、とても大切な姿勢だ。接する相手の「気」を、常に観察し、今、何をどんなふうに求めているのだろうか、どうしてあげたら心がしあわせに満たされるのだろうか、と自分なりに見極め、自分のできることを尽くす。
相手の心に自分の心を向けること。そこに生まれる感情が、あらゆる行為に魔法となって作用するのだ。
もちろん、自分の「気」にも、日々、目を向けること。そして、何事もていねいに、そう、心を込める。
以上、引用終わり
気は心。おいしいコーヒーを淹れる女性の想いを通して「気」の本質に触れる。すべての根幹は愛情表現にあることを説いているところに共感します。
Fastな現代社会にいて、そのスピードについていけてないと感じることが多々あります。できればついていける自分でいたい。でも、そこまでついていかなくてもいいんじゃない?
私にとって、愛情表現とはコミュニケーション。
毎朝、気持ちの良い挨拶から始まる一日を過ごすことが重要だと思います。また、仕事でも、プライベートでも、困ったときは一人で勝手に判断するのではなく、周りに相談すること。
社会状況の変化もあってか、当たり前のことが当たり前にできない世の中になってきました。
まずは自分から。
毎日のちょこっとしたコミュニケーションを続けていきます。